おとのはこぶねは
ねりま子育てネットワークの加盟団体です
子ども虐待防止オレンジリボン運動
支援団体です
NPO法人里親支援の
アン基金プロジェクト
♦ごあいさつ♦
最近は、親子の絆が希薄だと言われています。
そのことだけが原因ではありませんが、不登校や引きこもり、時には親子間で悲しい事件が起きてしまうひとつの原因に親子のふれあいが少なかったことがあげられています。
ほんとうにそうなのでしょうか・・・・
わたしたち親は、いつだって子どものことを思い愛するからこそ、悩みも抱えているわけです。
それゆえに、つい子どもに厳しくなってしまうことだってあるんです。
親子の絆ってなんでしょう・・・
簡単に説明できることなら、わたしたちは迷ったり悩んだりしませんよね。
連日のように繰り返される、子どもの心の闇を見せつけられるようなニュース。
「わが子がそんな犯罪に巻き込まれないように、わたし自身、親としてどんな子育てをすればいいのだろうか・・・。」
「いつかわたしが子どもを愛せない母親になる日がくるのだろうか、ならないという確固とした自信もない・・・。」
もちろん、わたしは暴力はきらいです。他人を叩けと言われても到底できない。
でも・・・・。
10年ほど前の冬
「虐待」という行為の末に6歳のわが子を死に至らしめてしまった母親のことが報道されました。
ニュースでは近隣住民はこういっていたではないか・・・。
『いつも子どもさんと楽しそうにお散歩していました。』
『あんな優しいお母さんが・・・信じられない。』
そして、傷害致死容疑で逮捕された母親はこう言っていたそうです。
『わたしはあの子を愛していました。「お母さんにに嫌われている」と思ったままあの子が死んだのなら悲しい。』と。
その母親は、子どものころから実父母に激しい虐待を加えられていたということでした。
極度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)によって、「フラッシュバック現象」も起きていたとのこと。
フラッシュバックは、きっかけがあってもなくても突然起きる。
過去のつらい出来事が当時の感情とともに、たった今、この場で起きているかのように意識に飛び込んできます。
育児中に、そんな現象が頻繁に現れていた。(解離性健忘)
だから、愛するわが子に日常的に虐待を加えていたことも全く覚えていなかったそうです。
・・・・・・・・・・・・・
こんな悲しいことがあるでしょうか。
生きるためのすべてを親だけに頼る子ども。
愛しいわが子を何よりも大切にしてどんなことからも守っていこうと決めたあの日。
わが子とはじめて出会ったあの日。
何の迷いもなく誓いを立てることができたあの日。
『「お母さんにに嫌われている」と思ったままあの子が死んだのなら悲しい。』
ここに親の思いが詰まっています。
もしもたったひとつしか願いが叶わないとしたら
せめて、子どもには
わたしたったひとりの親からだけでも「愛されている」と感じていて欲しい。
親をどう思ってくれてもいいよ。
口うるさいって思ってもいいよ。
例え、嫌いって思ってもいいよ。
あなたがどう思っても、わたしは永遠にあなたを愛しています。
いま、おかあさんにとっての子育ては孤独に陥りやすいです。
おかあさんのこころを守るためにも、子ども達の笑顔を守るためにも、地域の近くの人たちの目と手とこころが必要です。
《おとのはこぶね》では、3つの活動をしています。
ひとつめは、音楽グループ「うたのは」です。
子どものこころを詩にのせて歌っています。また、おとうさんやおかあさんが、お子さんとのかかわりの中での「こまった!」が少しでも和らいでいきますように、一緒に学びあう場所としての「こころの勉強会」も実施しています。
ふたつめは、演劇組「大地の風音(ふね)」です。
お芝居や朗読、歌、手遊びなどを開催しています。学校を長期お休みしているお子さんや、ゆっくり育つと決めて譲らないお子さんなど、個性豊かな小さな戦士たちがキラリと光っています。
みっつめには、水泳サークル「はこぶねらんど」があります。障害を持つ子どもとその兄弟が一緒に習い事ができて、かつ楽しめる!
昨年からは、おかあさんが一緒に来れない時のための送迎と、「ボランティアで活動を続けてくれるコーチたちと楽しく泳げる」夏の合宿がスタートしました。
社会の一番小さな単位である「家族」の絆がもっともっと深くなりますように。
お子さんと一緒に、もちろんおとうさんやおかあさんおひとりでも、ぜひ体験してみてください。
そして、こころが疲れたときには、ささやかですがとても丈夫な魔法の杖をぜひ試しにいらしてください。
・・・みなさんがお越しになれば・・・魔法の杖がもっと必要になりますね。これから仕入れに行ってまいります・・・・(あるのか?!)
おとのはこぶね 代表 國井香世子
〈2005年3月発足〉